2020/07/31 11:29
古き品を大切にされる、お客様と出会えたことに感謝します。
伝統ある着物は、幾人もの職人さんの手によって製作されています。ましてや、アンティークやヴィンテージの着物は、時代や製作方法を知りえません。織り方、染め方、洗い方、絵付け、刺繍、縫製まで様々な技術です。そして、着物として幾年、どのように保管されてきたのかもわかりません。
柔らかで光沢のある絹は、着物素材最上級です。何月がたつからといって、この最上級の価値はかわりませんが、色あせや、もろくなってしまうことは当然です。そこが古いものの価値です。
だからこそ、着物一着一着ときちんと向き合い、着物が一番輝く姿にすること。他の生地は使わずに、一着の着物で一着の服をつくることを目標にしています。
着物から洋服になったことで、気やすくはなりましたが、丁寧に慎重に扱っていただくことに変わりありません。
〈洗濯方法〉
*必ず真水で手洗い、優しく押し洗いしてください。(こちらで汚れを落としていますが、染めた年代により、染めの洗われ方が甘い場合、染粉が落ちることがあります。その時はなるべく手洗いを終えるようにしてください。)
*ポリエステル着物は扱いやすいと言われていますが、近年の洗剤には色物漂白が入っている場合があります。洗濯機で洗うことは、お避けください。
*干し方は、軽く絞り、ざぶざぶのまま陰干しし、水の重みで伸ばすため絞らないでください。絞り方によっては生地が伸びたり、裂ける場合があります。
*業者に出していただく場合、ドライクリーニングしてください。ご心配な方は、着物専門の業者へ持って行ってください。
*ファンデーションには油分が入っています。油汚れは水洗いでは落とせませんので、ご注意ください。
〈アイロン〉
半乾きの状態、もしくは霧吹きし、スチームアイロン、乾いた状態のときには、ハンドスチーマーを使用。どちらも焦げないように、ご注意ください。
手間がかかりますが、ものを大切にしてきた日本人の心を、現代に残していく、これこそが伝統の継承だと思っております。